先日、約2年ぶりにわたしの一番お気に入りのお店『渓趣の里(けいしゅのさと)』に行ってきました。
このお店を好きになってしまった人はお店の存在を教えず自分だけのものにしておきたいと思うようです。もちろんわたしもその一人なのですが、そういうお店だからこそ行ってその良さを体感して欲しいと思ってしまうのです。今回は特別におかみさんの了承と協力を得て紹介することになりました。
このお店の良さを言い表すと「日常の疲れを癒せる」となるのですが、これは実際に行ってみるとすぐにわかるほど日常を離れてゆっくりした時間の中で食事や景色、風の音や野鳥のさえずりを楽しめます。それだけでなく囲炉裏端で火吹き竹を使って自分で炭火を熾していくなど、このお店でしか味わえないものが沢山あるのです。

この二つの写真、駐車場から玄関までのアプローチで左が今回、右が約2年前のものだけど、屋根が茅葺きから瓦に変わっていることがわかります。その理由は聞いてこなかったけど、天井裏の梁などが新しくなっていたので昨年の台風の被害で仕方なく葺き替えられたのかもしれない(次回行った時に確認します)。
もうひとつ、2年前の写真ではアプローチの緑が生い茂っていて玄関もよく見えないくらいで営業をしているかどうかもわからないほど。今回の状態であっても、連れて行った知人は営業しているのかどうか不安に思ったらしい。今回はたまたま刈り込みされて時間が経っていなかっただけなのだろう。

営業しているか不安になる知人を連れ入ろうとすると、ちょうどおかみさんが出て来られたので挨拶し営業の確認。好きな囲炉裏端に座っておいてとの事で玄関口の写真を撮って上がることにした。その玄関の写真がこれで、初めて訪れた15年ほど前と比べるとずいぶんと時代を感じさせるものになったと思ったものだ。

玄関を入って右側を見るとこのように古民家そのものといった客席が目に入る。実はこの足下、玄関の写真でもわかるように土間のままというのはオープン当初から何も変わっていない。ちなみに左側はおかみさんの秘密基地である厨房になっている。

客席に上がって座る位置はすべて同じ右奥の一番景色や風が感じられる特等席。いつも座っているのがこの写真の左側の席で、景色だけでなく風や音をずっと感じられる良い席だと思っている。それほど好きな席でここ以外に座ったことがない。

玄関前からその客席の方を眺めた風景がこれで、秋になると紅葉を楽しめる楓なのど広葉樹がたくさん植えてある。10月半ばから11月上旬までが紅葉の見頃らしく、10月下旬にはふたたび訪れる計画にしている。初めて見る紅葉がとても楽しみ。

やっと食事の時間だ。囲炉裏に入れられた炭に種火の炭から火が移るように火吹き竹を吹いて風を送る。こんなことを平気で客にやらせるのだが、これがまた楽しくもあり腕の見せどころ。これは焼き具合に影響が出るので楽しみながらも真剣にやることにしよう。
今回は二人で行ったので写真のように「地鶏の網焼き定食」と「田楽定食」を頼んだ。「牛カルビ網焼き定食」もあるけど、いつもこの二つを注文してしまう。田楽には生きたままのヤマメがついているのだけど、このヤマメだけは追加して一人一匹食べるようにするのがお勧め。焼くときには残酷だと思ってしまうのだけど。
先に地鶏が出され、まずは焼き始めるようにおかみさんから勧められる。そろそろと焼き始めていると田楽が運ばれてきて、網の横におもむろに挿したかと思うと焼き方と田楽味噌のつけ方を説明してくれる。なるほどと思いつつ眺めているとご飯とだご汁が運ばれてくる。このだご汁がまた素朴で美味しい。
地鶏を食べながら田楽の焼け具合を確かめ、用意された軍手で焼き面を返しふたたび焼けるのを待つ。そんな時間を楽しむためにも、地鶏と田楽の組み合わせは外せないと思っている。3人であれば牛カルビも頼むのがよいだろう。ヤマメは両面が焼けたら腹を焼いて焼き上がりだ。
のんびりと食べているときっと1時間半くらいは経っているはず。その間、景色を見る、風を感じる、野鳥のさえずりに耳を傾けるなど、楽しみは沢山ある。ここでは時間を忘れてゆっくりとそういった楽しみに触れて欲しい。と言わなくてもそうなってしまうと思う。可能なら、少し横になってみるのもよいだろう。
この渓趣の里がある所は標高800メートルはあるらしく、下界と比べると気温が8度は低いとおかみさんに教えていただいた。いつも夏場にばかり訪れていたのにお店の中が暑く感じないのは、そんな立地と風通しのよい造りのおかげだろう。今回、下界では30度ほどだったのに、お店の中は半袖では少し寒く感じるくらい涼しかった。
【渓趣の里(けいしゅのさと)】
- 〒869-2304 熊本県阿蘇市西湯浦1464-213
- TEL 0967-32-1934
- 営業時間:9:00~18:00
- 定休日:不定休(おかみさんの用事がある時に休み)
- 駐車場:あり
- メニュー:地鶏網焼き定食1,500円、田楽定食1,500円、牛カルビ網焼き定食1,650円
- アクセス:車で菊池市内から菊池渓谷、大観峰方面へ向かうと菊池渓谷を過ぎて5分ほどの左側。大観峰から菊池渓谷、菊池市内方面へ向かうと15分ほどで到着。
- 参考まで:ほとんどいつ行っても開いていますが、事前に予約しておくと時間や団体への対応もできるとのことですので、事前に電話を入れておくのが確実でしょう。

最近のコメント